オランダ便り②:ハーレム・ベースボール・ウィーク―環境が人を育てる

 永田先生のオランダ便り第2弾。今回は野球のお話です。

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低い土地(ネーデルラント)よりgoedemiddag(フーデミダッハ、こんにちは)! ライデン大学Universiteit Leidenで在外研修中の永田です。
 
昨日、息子が所属するターメン少年野球チームの人たちといっしょに、ハーレム・ベースボール・ウィーク(オランダ語:Haarlemse Honkbalweek)の日本対USA戦を観戦しに行ってきました。この大会はオランダのハーレム(ニューヨークのハーレムの由来)で2年にいちど開かれているもので、今回の出場国は日本、オランダ、キューバ、アメリカ、台湾の5カ国です(ベネズエラはビザ手続が間に合わず出場を断念し、大会のスケジュールが大幅に変更されるという珍事)。

 

日本代表は一昨年の第24回はのちにその多くがプロに行くことになる大学選抜チーム(明治・岩田→阪神、東洋・大野→日ハム、亜大・中田→中日、青学・高島→オリックス、等)で編成されていたようですが、今回(第25回)は、世界大学野球大会と日程が近いこともあってか、京滋大学野球連盟(佛教大学、びわこ成蹊スポーツ大学、京都学園大学、大谷大学、花園大学、京都教育大学、等)の選抜チームでした。 

  

永田先生のオランダ便り、第二段が届きました。今回はサッカーではなく、野球のお話です。

 急造の応援垂れ幕。子供たちにもかけがえのない思い出ができました。

日曜日の好天に恵まれ、球場へは多くの野球ファン(その多くはオレンジ色の服を着ていました(笑))が詰めかけました。ターメン少年野球チームは日本代表のベンチの近くに陣取り、子どもたちを中心に声援を送り続けました。 その甲斐もあってか、見事4対2でUSAに勝利しました。

 そのゆったりとしたサブマリン投法で狙い球を絞らせず試合を作った先発の増田投手、横っ跳びでピンチを救った三島三塁手、左腕から繰り出す80マイルを超える速球でUSA打線を沈黙させたクローザーの白浜投手(この試合のMVP)、などなど、日本代表は溌剌とプレーし、観客たちも惜しみない拍手を送っていました。

 

日本代表の選手たちは、試合後、ターメン少年野球チームの子どもたちに硬式ボールをプレゼントしてくれたり、子どもたちからのサイン攻めにも気軽に応じてくれ、いっしょに写真撮影もしてくれました。急造の手作り応援垂れ幕(コピー用紙を貼り合わせたものに手書きで「日本代表がんばれ」「ターメン少年野球チーム」と書いただけです~_~;)を子どもたちが掲げると、選手たちは「めっちゃうれしい!」と素直に喜んでくれました。どういういきさつで京滋大学野球連盟所属の選手たちが「日本代表」になったのかはよくわかりませんが、そんなかれらもまさかオランダで日本の野球少年たちの応援を受けるとは思ってもいなかったでしょうから、声援がまさにかれらの「心」に響いたのだと思います。

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子どもたちからサイン攻めにあう選手

 

 私自身も監督と少し話しをすることができ、また、今年のドラフト上位候補、佛教大学のエース左腕・大野雄大投手、同じく三島之拡選手とも握手・談笑することができました。大野投手の左手は分厚かったです。「うちのエース南とプロで投げ合ってくれよ」というと、「はい」と力強く応えてくれました。三島選手も高校時代に南昌輝(法学部4年)とよく勝負したというので高校名をきいてみるとなんと奈良の智辯学園出身とのこと。自然、高校の1年後輩である三國龍大(法学部3年)の話題になりました。三國もそろそろ出てこないといけないな(笑)。とにかく、明るく爽やかな、好感がもてる選手たちでした。

 

 「環境が人を育てる」とはまさにそうで、大学生の選手たちの生き生きした表情も、オランダの子どもたちとも気さくに接する態度も、おそらく普段は容易には顕在化してこない部分が、国際大会出場や社会(子どもたち)との接触により前面に出てきたとも言えなくはないでしょう。元々そういういいものをもっているかれらが、にもかかわらず内輪の中だけでとどまっていては、非常にもったいない気がします。“社会化”は、一見遠回りのように見えて、人間としてはもとより野球人としての幅をも広げてくれる――今回その想いを新たにした次第です。  

 

なお、オランダの野球の試合の様子で日本とは異なる点が幾つかありました。ひとつは、DJのような当意即妙の実況中継や情報提供で観客を楽しませてくれる点です。実況の声が球場内に響き渡り、観客もそれに耳を傾け、絶妙な一体感を生んでいました。もうひとつには、攻守の入れ替わり時にはもちろん、試合中のちょっとした合間にも、(オランダ人なら)誰もが口ずさむことのできるBGMを大音量で流し、そのたびに観客たちは一斉に立ち上がり、歌ったり踊ったり、観客を飽きさせない工夫をしていました。おもしろかったのは、BGMが消えても観客が歌うのをやめず、主審もプレー再開をしばらく待つシーンが何回か(何回も?)見られたことです。

日本代表の選手たちとの記念撮影 日本代表の選手たちとの記念撮影

 

さぁ、今晩はW杯決勝戦です。ミュージアムプレインという広場には6~8万人の来場が見込まれています。周辺の交通機関も完全に麻痺するためかなり遠くから徒歩で向かわねばなりません。しかも、かなりクレイジーな事態になることが容易に想像されますが、W杯の決勝戦の雰囲気を当事国内で体験できるなんて一生のうちになかなかない機会ですので、怖いもの見たさ(?)にちょっくら足を運んでこようかな(笑)。

 

それでは、またお便りします。Dag(ダーッハ、さようなら)!

 

ハーレム・ベースボール・ウィーク
http://www.honkbalweek.nl/index.php?hhw=&lang=eng&id=&event=&team=

  

 

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